2020年10月28日水曜日

初めての3Dプリンタ(その7)温度と速度を変えてみる

マグネットピンのモデル を使ってヘッドの温度と移動速度を変えてみて、どんな感じになるのか確認してみました。使ったフィラメントは本体におまけで付いてきたPLAです。

温度は160℃~190℃を10℃刻みで4通り、速度は30mm/sと60mm/sの2通り。これらはスライサの設定で変えることができ、その情報がG-codeに反映されます。ちなみに今回変更しませんでしたが、ベッドの温度はデフォルトの45℃としています。

写真に160℃が無いのは、この温度だとフィラメントは柔らかくなるけど粘着性が不十分で、ベッドシート上に貼りつかずヘッドのノズルにくっついたまま一緒に移動してしまいモデルが形成できませんでした。ということで印刷できた6個を比べてみます。


左上の170℃、60mm/s は途中でモデルがベッドシートから剥がれてしまい、上部がフィラメントの塊になっています。この温度ではまだ粘着力が弱くてヘッド高速移動させると十分くっつかないようです。その他は無事に印刷することができました。見た目はほとんど差がありません。

底のマグネットを嵌め込む穴をみてみると、170℃、180℃の30mm/s はサポート材がありません。いや、あったのですが、本体を取り外すときにベッドシート側に貼りついたままでした。結構強力に接着していたということかな。

次にそれぞれにマグネットを嵌めてみたところ、170℃,30mm/sは緩くて、マグネットをホワイトボードに貼りつけると磁石だけ抜けてしまいました。180℃の60mm/sも若干緩い感じです。抜けなくなるようにしっかり嵌ったのは、190℃の2つと180℃ 30mm/sでした。

マグネット φ6mm に対して、穴は6.2mmで設計しているので緩いのが当たり前なのですが、180℃以上だと積層のときにつぶれるのか内側に少しはみ出して穴が狭くなるようです。設計に近いのは170℃です。

試してみましたがどれがよいのか分かりません(^_^;  30mm/sだと印刷に時間がかかるので大物を印刷するときは、温度高めの190℃、60mm/sあたりでしょうか。ゆっくりだと積層時に前の層が冷えてしまいそうだし。小物で精度が必要なら170℃ か180℃ で30mm/sかな。

もう少し、色々試してみます。相変わらずFusion 360に苦戦していますが、違うモデルも作ってみています。

2020年10月25日日曜日

初めての3Dプリンタ(その6)仮置きから設置

これまで3Dプリンタはリビングのテーブルに仮置きしていたのですが、いつまでもリビングに置いておけないのでIKEAの「LACK ラック」という小さなテーブル(1,999円)を購入し、送料が990円だったので送ってもらうことにしました。コロナでお店に行くのも心配だし、クルマで往復すると滞在時間含めて2時間以上はかかるので。届いたパッケージが下の写真。とても軽くて重い3Dプリンタを載せても大丈夫か心配になるほどです。

外装の薄い段ボールを剥がすとこんな感じでビニールラッピングされています。脚の太さとテーブルの厚さが同じ。

右端に脚の断面が見えますが、木材チップを固めた素材です。

組み立ては、両頭がネジになっている木ネジで脚をグルグル廻しながら締め付けます。柔らかい木材なので締め付けすぎるとネジがばかになりそうで心配しましたが、無事に固定できました。

ひっくり返して今までのテーブルに並べてみました。写真写りはそんなに違わない感じですが、値段は20数倍違います。IKEA凄いな。

当初、テレワーク部屋 に置こうかと思いましたが、仕事中に気が散ってしまいそうなので別の部屋に設置。もっと背の高い作業テーブルのほうが使い勝手はよいのですが、そんな大きなテーブルを置く余裕はないのでこれで妥協です。

アース付き2Pプラグは、このようなACアダプタ用の短い延長コードで繋いでいます。変換プラグが沢山あったはずですが見つからない。

設置中にアマゾンの荷物が届きました。何か注文していたかな?と開けてみるとフィラメントです。この3Dプリンタを購入したときに、フィラメントをプレゼントするというカードが入っていたのでメールで申し込んだものでした。


アマゾンによい評価を書いてくれたら嬉しいというような返信があったのですが、なぜか私のアマゾンアカウントは以前から評価の投稿ができません。一度も評価したことがないのに何らかの理由でブラックリストに載っているのか?と推察していますが、面倒なのでそのまま放置。評価できなけどblogに書くよと返信したら、それでOKということで送ってくれた模様です。最初に付いてきたものが0.25Kgで今回送ってくれたものが1Kgです。まだまだ印刷できそう。

という訳で、設置も無事に完了し、フィラメントもたっぷりになりました。前回失敗したケース は設計の修正は完了したのですが、反り対策をもう少しネットで探してから印刷しようと思っています。また、温度やヘッドの移動速度の最適解探しもこれからです。安定した印刷ができるまでは、もうしばらくかかりそうです。

2020年10月23日金曜日

初めての3Dプリンタ(その5)ケース作り失敗

マグネットピンでのパラメタ試行錯誤はちょっと後回しにして、電子工作のケース作りに挑戦してみました。ちゃんとしたものを作ってみないと達成感がないのでトライしたのですが、あえなく失敗しました。

Autodesk Fusion 360で設計し、STLを吐き出して、スライサでG-codeを作る手順です。G-codeファイルをmicroSDに入れて、3Dプリンタへ持っていき、レベル調整とZ軸のゼロ点調整を行いいざ印刷。この手順は慣れてきました。

約4時間かかって印刷完了。ちょっと糸を引いたところがありますがまずまずの出来。と思っていたら底(実際のケースでは表になる面)が大きく反ってました。

写真のように湾曲しています。底面の四隅が持ち上がるように反ってました。ベッドシートから剥がれたわけではなく、密着していたシートと共に反りあがってました。底は2.5mm厚で設計しましたが、このように薄いものを広い面積で印刷すると反るのでしょうか? ググってみたら皆さん反りには苦労されているようです。対策は色々ありそうですが、人それぞれっぽく、決定打がない模様。

実は反り以外にも大きなミスをしていました。設計時には表面を上にして設計してしまったので、そのまま印刷すると内側がサポート材だらけになりそうなのと表面の粗が目立ちそうでした。そこで、スライサでミラー反転して表面が底になるようにしたつもりだったのですが、左右も逆にしてしまっていて基板のスイッチ位置やピンソケット位置が逆になってしまってました。確認したつもりだったのですが、空間認識力がなってないですね。


ケースに入れる基板は、今年1月に作った 水晶発振子テスタ(周波数カウンタ)です。本当はLEDやタクトスイッチが右側になる予定でした。また、ピンソケットの位置も間違えてます。基板端とケース端を勘違い。


内側には、電池を収める場所を設けました。使用時間が短いのでACアダプタより006P電池の方が使い勝手がよさそうだったので。こちらは設計通りうまく収まりました。裏蓋はまだ設計できていません。

設計ミスは修正すればよいのですが、反り問題はどうしようか思案中です。
TRONXY XY-2 PRO TITANには今回使用した柔らかいシートの他に、硬いシート(板)も付属してきたので、これを使えば樹脂と一緒に捲れあがったりしないか? またネット情報にあったベッドの温度を高めにしようかとか(今回はデフォルトの50℃)。ノズルの温度を下げるとか(今回はデフォルトより少し下げた200℃)。3Mのシートがよいとかいう情報もあります。色々試せればよいのですが印刷時間がかかるので、それほど試せません。まぁ、上手く行くまでは試行錯誤なのですが。

2020年10月21日水曜日

初めての3Dプリンタ (その4) マグネットピン

自分で3Dモデルを作ってみました。まずは小さなマグネットピンですが、3D-CADを使うのも久しぶりだったのでモデル作りに苦戦。小さければ印刷パラメタを変えてみての試行錯誤も短時間でできると思っていますが、まだそこまで辿り着いてない。

1作目は写真の通り失敗。ピンを掴むところがオーバーハングになるので斜めにしたのですが、まだ傾きが足りない(水平に近い)だったようで、積層がうまく行かずリング状になってしまいました。スライサはサポート材を作らなかったので大丈夫かと思い、トライしましたがダメでした。空中に樹脂を吐き出す感じになってしまったようです。

また、マグネットを埋め込む底の穴をマグネットの直径と同じφ6mmにしたのですが、まったく入らない状態でした。一番底だからか樹脂が広がって6mmより小さくなるようです。


2作目です。くびれを少し太くして、かつ掴むところのオーバーハングをなだらかにしてみました。3D-CADはAutodesk Fusion 360です。個人用途なら無料で使えるのがよいです。まだまだ全く使いこなせてないのですが。

Fusion 360からSTLを吐き出して、TORONXYのスライサにかけた様子です。時間が7分と表示されています。


小さいのでヘッドの移動時間をデフォルトの60mm/秒から30mm/秒にしてみました。印刷時間はノズルの加熱時間などを入れて10分でした。こんな小さなものでも意外と時間がかかる。

今回はオーバーハングも無事に出力できました。写真右端が1作目の失敗品(掴むところが低いのは仕様)、中央が2作目、左端は埋め込むマグネットでφ6mm、厚さ3mmです。出来上がったサイズを測ってみたところ、直径は設計通りのφ10mmでしたが、高さは13mmの設計に対して12.8mmで若干低かったです。どこかに調整できるところがあるのかな?

(2020.10.23追記)
印刷開始時のZ軸のゼロ点設定で、テーブル面から若干上(0.2mm位)にしたところ、設計通りの高さで印刷されました。

底を見ると、マグネットを埋め込む穴にはサポート材が入っているのが分かります。右端の1作目はサポート材の除去後。

サポート材を取り除いたマグネット埋め込み穴です。φ6.2mmで設計しましたが、マグネットはキツキツです。ピンを立てて上から強く押してようやくはいりました。まあ、簡単に抜けないほうがよいのでこれくらいでよいでしょう。

マグネットが微妙にはみ出しています。穴の深さをマグネットの厚み3mmに対して3.3mmにしたのですが、まだ足りなかったようです。サポート材がキレイに取り除けなかったのかも。上の写真で穴の底に縦の筋が入っていますが、これがサポート材かもしれません。


一応、これで小さなモデルができたので、印刷パラメタを変えてみてどうなるか試してみたいと思います。小さすぎて差が分からないかもしれませんが。変えるのはとりあえずヘッドの移動速度、ノズルの温度くらいですが、そのうちフィラメントの素材も変えてみたいです(今は付属していたお試しフィラメントでPLA?)。

2020年10月19日月曜日

初めての3Dプリンタ(その3)

次は自分で3Dモデルを作ろうと思っていましたが、ネットで面白いモデルを見つけたので印刷してみました。小さなモンキーレンチ です。

TRONXY XY-2 Pro付属のスライスツールでスライスすると、スライス結果が見えます。スライダを動かすと表示層がCT画像のように変わっていき面白い。

CT画像と同じ様に印刷されて行きます。

4時間半かかって印刷完了です。結構キレイですが、表面には細かいスジが見えます。目立たない印刷パラメタを試行錯誤する必要がありそうですが、これが限界なのか?

シートから剥がすのにニトムズのテープはがしカッターを買ってみました。薄いので剥がしやすいという評判だったので。

こんな感じで隙間に差し込んで剥がしますが、今回のモデルは前回と同様にシートを少し曲げて手で引っ張ると剥がれました。モデルの周囲にある薄い線を剥がすのに活躍しました。

レンチの可動部の穴に入っていたサポート材を抜いたところです。

バリをカッタナイフで削り、一部はヤスリがけしましたが、白い樹脂だとヤスリの汚れが付着してしまいよろしくありませんね。シロモノ専用のヤスリが必要です。今度、百均で購入しましょう。紙ヤスリも白いものの方がよさそう。

一体印刷でネジが回せて顎が可動します。この様なモデルの設計が素晴らしいです。

裏側はほぼフラットです。

サポート材を抜いた後の顎が動く穴です。

反対側の穴です。

次こそは自分で3Dモデルを設計して印刷してみたいと思います。小さめのものにしてパラメタを変えて複数印刷して違いを比較してみます。

2020年10月18日日曜日

初めての3Dプリンタ(その2)

TRONXY XY-2 PRO、本日初印刷に挑戦しました。初期不良もなく、無事に完了しました。


まずは準備として手順書に沿ってコネクタケーブルを2カ所挿して、AC電源の電圧切り替えスイッチが115Vになっていることを確認、付属ACケーブルのプラグがアース付きの3端子です。アダプタがあったはずですが見つからず、延長コードに2端子だけ挿して無理やり接続。

次にヒートベッド(造形するプラットフォーム)の水平合わせです。一旦マニュアルで設定した後、自動レベリングしてみました。写真は自動レベリングしたときの各ポジションの高さの誤差です。この誤差を補正して積層してくれるらしい。賢い! ヒートベッドに載せる黒いシートが少し曲がっていて、アルミ製のヒートベッドに平らに密着せず多少デコボコしていた。


次にZ軸のゼロ設定を行う(写真なし)。マニュアル操作でZ軸を下げて、紙1枚程度の高さをゼロとした。このあたりも手順書通りなので特に難しいことはなかったが、移動の▼マークをタッチしても下がる動作はワンテンポ遅れるので、反応してないのかと思って複数タッチするとそのタッチ回数分遅れて下がるので注意したほうがよい。

いよいよ印刷。microSDカードを本体後ろのスロットに挿して、サンプルの先頭にあった恐竜を選んで、印刷を開始したら残り時間が8時間とでた。印刷範囲もでかい。試し印刷にしてはフィラメントが勿体ないのと時間がかかり過ぎるのですぐにストップ。

途中まで恐竜を印刷したところ。こんなにデカいと思わなかった。印刷開始する前にサイズと残り時間を表示して欲しい。また、サンプルはもっと小さいものを入れといて。

ということで、適当な大きさで面白そうな3Dデータを探してネットを彷徨う。この時間が結構長かった。Maker FaireのロボットのSTL データがあったのでダウンロードして、Windowsパソコンで、TRONXY XY-2 PROに付いてきたスライサ(3Dデータを積層データにしてくれるソフト)で処理してG-codeを生成。自動でやってくれるので簡単(色々調整できるパラメタがあるのかもしれないが、とりあえず自動でやった)。microSDに書き込むボタンまである。

microSDを本体に挿して、印刷を開始すると残り時間2時間45分と表示されたので、ちょっと庭仕事。

戻ってみると時間は経っているが、印刷の進捗はまだまだ。とてもじゃないが、3時間以内には終わらない。

結局5時間11分かかった。印刷の見積時間はあまり当てにならないようです。2倍位みておけば大丈夫か。

印刷直後、まだシートに貼りついている。サポート材やヘッドが移動するときに糸を引いたものが残っている。

恐竜の中途半端な印刷を剥がすのに苦労したので大変かと思っていたが、手で斜めに力を入れて引っ張ったらペリペリと簡単に剥がれた。裏側はフラットでキレイ。


サポート材や糸を引いた箇所をニッパやデザインナイフで削ってキレイにしました。結構固くてデザインナイフで削るのは大変。やすりをかければもう少しキレイになると思う。

積層の跡が分かりますが、初めてにしてはまずまずかと思っています。温度や移動速度などの印刷パラメタを調整すれば多少は改善できるでしょうか。

このモデルは、頭が回り、腕や手首の関節、膝や足首の関節も動きます。一体印刷なのにこんなことができるのは3Dプリンタならではですね。しかし、3万円しない3Dプリンタを初めて使ってこれだけのものが印刷できるというのは素晴らしいです。


STLがあればスライスして上手く印刷できることが判ったので、次は3D-CADで何か作ってみたいです。今回のような関節のあるものは難しそうなので、とりあえずは簡単なものから。また、カラーのフィラメントも試してみようかと思います。

その前にこのプリンタの置き場所を考えないと家庭的にまずいです。今回は試しなのでリビングのテーブルを使いましたが、いつまでも占領している訳にはいきません。工作部屋の机に載せると工作ができないし、どうするか、、、、

2020年10月14日水曜日

初めての3Dプリンタ(その1)

ついに3Dプリンタに手を出してしまいました。評判が良さそうだったTRONXYというベンダのXY-2 PRO TITAN 3Dプリンタです。オートレベリング機能というのがよさそうだったのと、アマゾンの定価 32,999円でしたが 9,000円の値引きクーポンがあって23,999円だったので。この値段なら失敗しても勉強代として納得できます。もう少し安い同じタイプもありますが、TITANというのが柔らかいTPUフィラメントも使えるというのでこちらにしました。よくわかってないです(^_^;


箱が意外と大きく結構重いです。重い方が安定していてよいですね。以下、開封の様子です。


上から1段目。英語の取説、スクレーパ、フィラメント、工具、フィラメントのリールを掛ける部品などが見えます。

2段目、Z軸とX軸(Yかな)のフレームです。

3段目で最後、本体です。

プログラムやサンプルデータ、日本語の取説が入ったmicroSDとUSBアダプタ。見当たらず、焦りましたがフィラメントリールの下にありました。

付属の六角レンチで20分位かかって組み立てました。Z軸のフレームは立てて本体下から長めのビスで止めるのですが、横に倒すとモータなどが床に当たるので少々苦労。

上部の飛び出しているところにフィラメントリールを掛けます。右下はタッチパネル付きのディスプレイ。

今日のところはここまで。明日からちょっと忙しいので試し印刷は週末ですね。楽しみです。まだ3D-CADも満足に使えないので、取りあえずサンプルデータを印刷しようかと思っています。

今、アマゾンを見たら割引クーポンは7,000円になっています。購入したときは、10月いっぱい9,000円だったように思います。Amazon Prime day だから? そんな訳ないよね。